50代の日常ブログ

介護その他の吐出しをだいたい終えることが出来たと感じます。もう少しちょっとした吐出しを続けて、そのあとはまた考えようと思います。

葬式のオプション納棺師

父の葬式でやってよかったことを思い出したので書こうと思う。

父が深夜に亡くなり、葬儀場を決めて病院から家に搬送してもらったその日の朝。葬儀の担当者が家に来て、我々は葬儀のプランを決めていた。

プランの中に「納棺師」というものがあって、プラス4万円だったかな。どういうものかわからなかったが、担当者は自分の話として、お父様の最後として、後悔していることがあり、それがご遺体の口が開いていたことだという。きれいに整えて最後を送ってあげたかったとの事。

父も、背中から首が前に出て固まっていて、生前も寝るときは枕を高くしていた。遺体を普通に寝かせると、頭の先が顎より下の位置になり、口が開いてしまっている。どうやらそれを整えてくれるらしい。

言われたので追加プランにしたが、これがとてもよかった。父が家を出る、最後のひと時を、みんなで見守りながら納棺師さんに整えてもらって、いろいろな説明もしてくださり、父の最後にできる限りのことをしたと満足できた。

これはたぶん運の問題でもあると思う。とても良い納棺師さんに当たったと思うからだ。

男性で、関西のイントネーション。京ことばっぽい雰囲気。

「納棺師」で調べると、いろいろな儀式や、湯灌(ゆかん)をやるなどと書いてある。しかしドライシャンプーはしてくれたが、湯灌はなかった。これは私としてはよかった。病院でも、父が亡くなった後体を清めるところに立ち会うかと言われたが、断った。父も我々に裸を見られたくないだろうと思ったからだ。介護の最中も、私が娘だとわかっているときは、極力体を隠していた父だ。

納棺師さんのそれはエンターテインメントのようで、ものすごく手際が良かった。着物を着換えるときも、肌が一切見えないように、でも我々からは着替えが見えやすく、まるでステージと観客席のようだった。説明も絶え間なく柔らかい口調で、てきぱきと作業をしながら進めてくださった。

死に化粧をしてくれる時、病院でも粉をつけてくれていたことを教えてくれた。ファンデーションがついていたそう。病院で最後にそんなことまでしてくださっていたなんて、納棺師さんがいなければ知ることはなかった。

病院でも家でも、最後にこんなにいろんな方にお世話になって、きれいにしてもらえて、よかったね、と父に言った。

あわただしく進む通夜・葬式への段取りの中、ひと時の充実した時間だった。

 

 

 

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